【12月31日 AFP】スイスでは2015年、700人を超える外国人ストリッパーに特別な労働許可証が付与された──。いわゆる「ストリッパー査証(ビザ)」と呼ばれるものだが、16年1月1日には制度の廃止に伴い、無効となる。

 スイスは1995年、欧州連合(EU)域外出身で、ストリッパーやキャバレーのダンサーとして働くため、スイスへの入国を希望する女性に、8か月間の労働を認める制度を開始。人身売買の標的となりやすい女性たちを守る目的で導入された。許可証の取得者にはロシアやドミニカ共和国、タイ出身のダンサーが多かった。

 だが、調査の結果、労働許可を得た女性の一部で売春を強要されている実態が明らかになり、関係当局は14年、同制度が女性を保護する役割を果たしていないとの結論に至った。

 連邦移民局は29日、16年1月1日をもって制度の廃止を確認。ストリッパービザの取得者数が、14年は751人、15年は712人上ったことを明らかにした。05年以降の総取得者数は1万0700人を超える。

 この制度をめぐっては、母国の家族に仕送りできるだけのお金を稼ぐ機会を女性たちに与えたと評価する声がある一方で、とりわけ人身売買業者や、金銭を要求する労働許可証取得仲介者らによって制度が破壊され、機能不全に陥ったとの指摘もある。(c)AFP