【12月30日 AFP】欧州陸上競技連盟(European Athletics)のスヴァイン・アルネ・ハンセン(Svein Arne Hansen)会長が29日、ロシアの陸上選手に科されている国際大会への出場禁止処分が、2016年のリオデジャネイロ五輪までに解かれる可能性は低いと話した。

 国家ぐるみのドーピングが発覚し、国際陸上競技連盟(IAAF)から国際大会への出場禁止が言い渡されているロシアは、処分の解除に向けてロシア陸連(ARAF)の組織改革が求められている。しかしハンセン会長は、改革の完了がリオ五輪には間に合わないのではないかと話している。

 ロシアの陸上界については11月、世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が出した報告によって、ロシアの反ドーピング機関で国際基準に対する違反が「日常的に」行われていたことが明らかになった。

 これを受けて、WADAが指名した専門家のチームがすでにモスクワ(Moscow)入りし、必要な改革に取り組むARAFを補佐している。そして来年1月10日と11日にかけては、IAAFの査察団がロシアを訪れる予定となっている。

 査察団はその後、報告書をまとめてIAAFへ提出することになる。報告書は、早ければ3月27日に英カーディフ(Cardiff)で行われるIAAFの評議会に間に合う可能性があるが、それでも、8月5日に開幕するリオ五輪までは4か月強しかない。

 ハンセン氏は、英陸上誌「アスレティクス・ウイークリー(Athletics Weekly)」のウェブサイトで、「現時点で、彼ら(ロシア)は条件を満たさなくてはならないが、リオで戦っている姿はあまり想像がつかない」と話した。

 ノルウェー陸連のトップを務めた経験も持つ同会長は、改革にはすでに着手しているものの、成就には時間がかかると考えている。

「彼らは状況を改善しようと、現時点で非常に懸命に働いている。果てしなく厳しい状況に直面するなか、皆で協力し合っているように思う」

「ロシア陸連に優れた人物がいることはわれわれも知っているし、きっと彼らが選出されるはずだ。新しい人材にも加わってほしい。変化の重要性を心から理解している人物にね」

(c)AFP