【12月30日 AFP】ベルギー警察は、首都ブリュッセル(Brussels)で予定されている新年祝賀イベントを狙った攻撃を計画していたとして、容疑者2人を逮捕した。連邦検察当局が29日、発表した。

 警察は27、28両日、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の本部が置かれている同市周辺とリエージュ(Liege)州で強制捜査を行い、軍式の訓練服やコンピューター機器、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の宣伝資材などを押収したという。

 検察当局の声明によると、逮捕された容疑者のうち1人は、攻撃を計画した疑いと「テロ組織の活動の中心的役割を果たし、テロ行為への勧誘を行っていた」疑い、もう1人は「テロ組織の活動への参加」と計画の疑いが持たれているという。

 ただ捜査関係者らは、この強制捜査は先月にフランス・パリ(Paris)で発生した同時テロ事件に関係したものではなかったとしている。同事件については、ISが犯行声明を出しており、フランス当局は攻撃の準備はベルギーで行われたと断定している。

■標的はブリュッセルを「象徴する場所」

 攻撃の標的とされていたのは「ブリュッセル内の複数の象徴的な場所」で、年末の祝賀行事の最中に実行する計画だったとされる。これを受けて同国の国家危機管理センターである脅威度分析調整機関(OCAM)は28日夜、標的となる可能性のあるブリュッセル市内の警察や兵士向けの警戒レベルを引き上げていた。

 ベルガ(Belga)通信は、警察の内部資料の内容として、観光名所のグランプラス(Grand-Place)と隣接する中央警察署、制服を着用した兵士や警察を標的とした「パリの事件に類似した攻撃が発生するという信ぴょう性の高い脅威がある」と報じた。

 現地メディアは、市内中心部にあるブルケール広場(Place de Brouckere)で大みそかに予定されている花火大会について、市当局は実施するかどうかを30日に決定すると伝えている。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL