【12月28日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は27日、今年5月から支配下に置いていたアンバル(Anbar)州ラマディ(Ramadi)の最後の拠点である政府施設から撤退した。イラク軍の対テロ部隊報道官が語った。これにより、イラク軍は、昨年から同国内で展開してきたISへの大規模攻撃で最大の勝利を収めたこととなる。

 ISが撤退前に仕掛けていた爆発物のため、イラクのエリート部隊「テロ対策サービス」(CTS)は同施設の一部にはまだ入ることができていない。ただ、孤立したIS戦闘員らが残っている可能性はあるものの、イラク軍はもはや抵抗を受けていないという。

 イラク軍の対テロ部隊報道官は、「すべてのダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)戦闘員は立ち去った。もう抵抗はない」とAFPに語った。

 首都バグダッド(Baghdad)やシーア派の聖地カルバラ(Karbala)など複数の都市で、ラマディ奪還を祝って人々がイラク国旗を振った。

 イラク議会のサリム・ジュブリ(Salim al-Juburi)議長は、「テロリズムからラマディ市解放をもたらした、治安部隊の英雄たちの偉大な勝利」を祝う声明を発表した。

 ラマディで7月以降、600回以上の空爆でイラク軍を支援した米国主導の有志連合も、治安部隊の作戦成功を祝福した。

 有志連合の空爆支援を受けたイラク軍は22日、ラマディ奪還に向け同市中心部に進攻し、過去2日間の戦闘は政府施設周辺に集中。同施設の奪還は、すなわち、ラマディ奪還を意味していた。(c)AFP/Ahmad al-Rubaye with Salam Faraj in Baghdad