【12月26日 AFP】2016年、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、男子テニス界初となる通算1億ドル(約120億円)の賞金獲得を目指す。

 これまで男子テニス界では、コート場で獲得した賞金だけで1億ドルを手にした選手はいないが、世界ランク1位のジョコビッチと同3位のフェデラーは、来年その大台を迎えることが見込まれている。

 これまでの通算獲得賞金額は28歳のジョコビッが9400万ドル(約113億円)、34歳のフェデラーが9730万ドル(約117億円)となっている。

 来年1月に行われる四大大会(グランドスラム)初戦の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)の優勝賞金は385万ドル(約4億6000万円)となっており、フェデラーはタイトルを手にすれば史上初の通算1億ドルに手が届く。しかし、四大大会(グランドスラム)で最後となっている通算17度目の優勝が2012年にさかのぼるフェデラーの情勢は、不利なものだ。

 現代の選手たちが手にする利益は、スポンサー料やコマーシャル出演費などで上昇して膨大なものになっており、黎明(れいめい)期の有力選手との差はかけ離れている。

 昨季全仏オープンテニス(French Open 2015)の決勝で敗れたジョコビッチが成し遂げられなかった年間グランドスラムを最後に達成したロッド・レーバー(Rod Laver)氏は、現役時代に150万ドル(約1億8000万円)を手にしている。これは1960年代後半の基準からすれば巨額なものだ。

 ジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏は通算1250万ドル(約15億円)、フェデラーの子供のころのヒーローで、2002年に引退したピート・サンプラス(Pete Sampras)氏は4300万ドル(約51億円)を手にしている。

 グランドスラムで3勝を挙げ、通算優勝回数を10勝に伸ばしたジョコビッチは今年だけで2150万ドル(約26億円)の優勝賞金を獲得した。

 コートでは圧倒的な強さを見せたジョコビッチだが、財産の面においてはフェデラーに追いつくためにしなければならないことがいくつもある。

 米経済誌「フォーブス(Forbes)」の長者番付によると、フェデラーはスポンサー料などの収入を合わせて5800万ドル(約70億円)を稼ぎ、スポーツ選手のトップ5に名を連ねている。

 ジョコビッチはコマーシャル収入だけで3100万ドル(約37億円)を手にしており、番付では13位につけている。

 それでもジョコビッチは、今年88試合でわずか6敗としている好調ぶりと時間が味方についていると考えている。

「十分なチャンスがあると思っているよ。まだ28歳だし、すぐにも終わりがくるようには感じない。それが自分を突き動かす原動力になるし、わくわくさせてくれているに違いない」

 また、これまで14度グランドスラムを制しているラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は通算7500万ドル(約90億円)を手にし、世界2位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は4250万ドル(約51億円)を獲得している。

 その一方で、女子ツアーの賞金は男子に比べ見劣りする。

 今年グランドスラム3大会で優勝したセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の通算獲得賞金額は、7400万ドル(約89億円)となっている。

 また、コート外での活動で最も高収入な女性選手となっているマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)のコート場での総収入は、セレーナの半分にも満たない3640万ドル(約44億円)にとどまっている。(c)AFP/Dave JAMES