【12月24日 AFP】スペインで行われた毎年恒例のクリスマス宝くじで、8年前に木造の移民船による危険な船旅でモロッコからスペインに渡ったセネガル人の失業男性(35)に40万ユーロ(約5300万円)が当たった。地元メディアが23日、伝えた。

 スペイン語で「太っちょ」を意味する「エル・ゴルド(El Gordo)」と呼ばれるクリスマス宝くじの今年の賞金総額は22億ユーロ(約2900億円)で、世界最高額となっている。

 地元紙ラ・ボス・デ・アルメニア(La Voz de Almeria)によると、40万ユーロを当てたヌガメさんは8年前に妻とともに移民で満員の木造船で大西洋(Atlantic Ocean)を航行中に遭難しかけたところをスペイン沿岸警備隊に救出され、スペイン領カナリア(Canary)諸島の一部でモロッコ沖合にあるリゾート地のテネリフェ(Tenerife)島に到着した。ヌガメさんは同紙に「海で遭難しそうだった私を救ってくれたスペインの人たちと政府に感謝したい」と語った。

 スペインに到着してからは、南部アルメリア(Almeria)県で妻と臨時農作業員として働いたり、数キロにもおよぶ広大な敷地の温室で野菜の収穫を手伝ったりしてなんとか生計をたててきた。だが最近、温室での仕事を解雇されたばかりだという。

「当せんしたなんて、うそみたいだ。妻との持ち分をあわせても有り金が5ユーロ(約660円)に満たない日もあったんだよ」 (ヌガメさん)

 22日に行われた抽せん会で当せん番号となった「79140」番のくじ券を持つ当せん者はヌガメさんを含めて1600人いる。(c)AFP