【12月22日 AFP】優勝者と2位が取り違えて発表されてしまった今年のミス・ユニバース(Miss Universe)世界大会──。世界で数百万人が視聴していた生中継でのハプニングについて、コロンビアの大統領が21日、遺憾の意を表明した。最終的に優勝したのはフィリピン代表で、コロンビア代表は2位だった。

 米ラスベガス(Las Vegas)で20日に開催され、全世界に生中継されたミス・ユニバースの世界大会で、司会を務めた米国のコメディアン、スティーブ・ハーベイ(Steve Harvey)氏は、優勝者をコロンビア代表のアリアドナ・グティエレス(Ariadna Gutierrez)さんと発表した。しかし、これは番組進行指示カードの読み間違いだった。

 戴冠したグティエレスさんは、感極まり、泣き笑いしながら、花束を抱えて投げキスを披露していたが、次の瞬間には訂正の発表が行われた。

「謝罪しなければなりません。第2位はコロンビアです。ミス・ユニバース2015はフィリピンです」とハーベイ氏が述べると、会場には音楽が再び流れ始め、フィリピン代表のピア・アロンソ・ウォルツバック(Pia Alonzo Wurtzbach)さんにスポットライトが当たった。訂正発表の瞬間、ウォルツバックさんは、「何ですって?」と驚きの表情を浮かべた。

 困惑する観客からは歓声やブーイングが起こり、ハーベイ氏は「私のせいです。でも、カードに今言った通りのことが書いてあったんです」と釈明。ティアラは直ちにウォルツバックさんに授けられた。

 コロンビアのフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領は大会翌日、同国の大手各紙一面で取り上げられたこの出来事にショックを受けたとコメントした。

 サントス大統領はラジオ・ナショナル(Radio Nacional)の取材に、「ミス・ユニバースを家族と一緒に見ていた。わが国代表は素晴らしかったし、華やかだった。司会者が訂正発表をしたときは本当にがっかりした」と述べた。

「私にとって、わが国の代表こそが今もこれからもミス・ユニバースだ。彼女に王冠を授けてくれたじゃないか。そのときの写真が証拠だ。コロンビア人の私にとって、彼女は今もミス・ユニバースだ」

 なお、過去にミス・ユニバースを共催していたことのある、次期米大統領選の共和党候補者指名争いで支持率トップに立っているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏も21日、この出来事についてツイッター(Twitter)にコメントを投稿。自分の監督下なら「こんなことは絶対に起きなかったはずだ!」と述べている。(c)AFP