【12月17日 AFP】古代エジプトの若き王、ツタンカーメン(Tutankhamun)の貴重な「黄金のマスク」が16日、雑な修復であごひげに付着していた接着剤の除去作業を終えて2か月ぶりにエジプト・カイロ(Cairo)の考古学博物館(Egyptian Museum)の展示室に戻り、報道陣に公開された。

 黄金のマスクは2014年8月、照明修理のために博物館の職員が展示ケースから取り出した際に不手際であごひげが取れてしまった。慌てた職員らがエポキシ系接着剤で「修理」したが、つけすぎた接着剤が表にはみ出して固まっていた。修復を担当したドイツの専門家チームは、マスクを3Dスキャンした後、あごひげを再び取り外して作業を行った。

 修復チームの一人によると、ツタンカーメン王のマスクに施された儀礼的なあごひげは、1922年に英国人考古学者のハワード・カーター(Howard Carter)氏が発見した時点ですでに取れかかっていて、カーター氏自身の手で一度取り外されたことがあるという。

 ツタンカーメン王は在位9年だった紀元前1324年にわずか19歳で死去した。王のミイラにかぶせられていたマスクは純金製で、ラピスラズリや半貴石が散りばめられており重さ11キロ。(c)AFP