【12月17日 AFP】(写真追加)背中に大きく張り出した帆のような突起構造を持つ新種恐竜の骨格の一部が見つかった。スペインの古生物学者チームが16日、研究論文を発表した。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された研究論文によると、「モレラドン・ベルトラニ(Morelladon beltrani)」と命名されたこの新種恐竜は、草食恐竜イグアノドンの仲間で、約1億2500万年前に生息していたという。

 この時代の恐竜としては中型で、全長約6メートル、体高2.5メートルだった。

 モレラドンの「最も顕著な特徴」は、背骨の上に高く伸びた複数の神経棘(しんけいきょく)があることだ。船の帆のように見えたかもしれない背中のこの部分は、体温調節を助けたり、餌不足の時に備えて脂肪を蓄えておく場所として機能したりした可能性がある。

 化石標本には、背骨と骨盤骨の一群および歯14個が含まれているが、完全な歯は1個だけだった。スペイン東部、バルセロナ(Barcelona)の南西にあるバレーム期後期アルシリャス・デ・モレラ累層(Arcillas de Morella Formation)に属する赤色粘土層で発掘された。

 論文によると、約1億2500万年前のイベリア陸塊東部に、中型から大型の恐竜の「著しく多様性豊かな」集団が生息していたことを、今回の発見は示しているという。(c)AFP