【12月16日 AFP】フランス・パリ(Paris)近郊で15日、先月同市で発生し130人が犠牲になった同時テロに関与した疑いで、29歳の男が逮捕された。司法筋が明らかにした。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によるパリ襲撃事件以降、フランスには非常事態宣言が出されており、これまでに2700件の強制捜査が行われ、360人が自宅軟禁下に置かれている。

 15日に身柄を拘束されたこの容疑者は、パリ東郊のビリエシュルマルヌ(Villiers-sur-Marne)の団地に居住。捜査に近い筋によると、警察のパリ襲撃事件担当官らが特に注目しており、すでにシリア入りしたとみられる別の男との関係について、調べを進めていくという。

 先には、襲撃事件の首謀者と目されているアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者に住居を提供したとみられる男2人が拘束されている。アバウド容疑者は、事件の5日後にパリ北郊で実施された大規模な強制捜査の最中に死亡した。

 事件の計画が練られたとされるベルギーでは8人が逮捕された。また、襲撃を受けたコンサートホールやバー、レストランを標的に選んだ疑いでは、男1人がトルコで拘束されている。

 一方フランス国籍を持ち、事件の鍵となる後方支援の役割を果たした疑いが持たれているサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者(26)はいまだ逃走中で、国際逮捕状が出されている。

 ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相は、事件以降334人を逮捕し、うち287人を取り調べのため勾留。また400以上の武器を押収したと発表している。

 カズヌーブ内相によると、イスラム過激派ネットワークに関与しているとされるフランス国民は約1800人おり、うち600人以上が現在シリアかイラク入りしており、144人は同域での戦闘で死亡したという。

 さらに、うち250人はフランスに戻っており、約500人が「帰国準備中」で、残りはフランスに向かっている最中だとしている。(c)AFP