【12月15日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、拠点の一つとするリビア北部の沿岸都市シルト(Sirte)で、「魔術」を使ったとの理由で女性1人を、スパイ行為を行ったとして男性1人をそれぞれ「処刑」したことが分かった。同国の複数の通信社が14日、伝えた。

 同国東部に拠点を置く国際的に認められた政権に近い通信社によると、「魔術」を使ったとされるモロッコ人の女性は広場で斬首された。パレスチナ人の男性は、スパイの疑いを掛けられ銃殺されたという。一方、イスラム武装組織連合が掌握する首都トリポリ(Tripoli)に拠点を置く通信社によると、ISはさらに、窃盗を行ったとしてリビア人1人の片手を切り落としたという。

 リビアでは、トリポリがイスラム武装組織連合に掌握された昨年8月から、国内に2つの政権が併存する事態が続いており、国際社会から承認されている方の政権は東部への退避を余儀なくされている。

 ISは、リビアで2011年に最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が失脚して以来続く混乱と治安悪化につけ込み、同国で影響力を増大させている。トリポリの東約430キロに位置するシルトは、カダフィ大佐の故郷で、ISが今年6月に掌握を宣言した。(c)AFP