【12月10日 AFP】仏製薬大手サノフィ(Sanofi)は9日、同社が開発した史上初のデング熱ワクチンがメキシコで認可され、世界で初めて一般向けに販売されることになったと発表した。

 蚊が媒介する感染症であるデング熱は、世界で年間に最大4億人が感染している。同社ワクチン部門を率いるオリビエ・シャルメイユ(Olivier Charmeil)氏は、AFPの取材に「これは、公衆衛生の歴史における非常に重要な瞬間だ」と語り、デング熱ワクチン「デングワクシア(Dengvaxia)」を「この10年間で最大の革新的発明」と評した。

 このワクチンは商業的に「大成功」を収める可能性を秘めており、10億ドル(約1200億円)以上の収益を同社にもたらす可能性があるという。デングワクシアの研究・開発には、20年の歳月と15億ユーロ(約2000億円)以上の費用がかかっている。

 サノフィのワクチン部門サノフィ・パスツール(Sanofi Pasteur)は、これまでに20か国で、デングワクシアの承認を申請している。シャルメイユ氏によると、「今後数週間のうちに、アジアと中南米でさらに多くの登録が行われる予定」という。

 15か国の4万人を対象に実施された臨床試験では、デングワクシアは9歳以上のワクチン接種者の3分の2に免疫性を与えることが可能と判明、デング熱の重症型であるデング出血熱に対しては、この割合は93%にまで上昇した。さらに、入院のリスクを80%減少させることも、臨床試験で分かっている。(c)AFP