【12月9日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は8日、先月トルコに撃墜されたロシア軍機のブラックボックスを回収したと発表し、外国の専門家らと共に解析を進めていく方針を示した。

 同大統領がセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相にそのブラックボックスを見せながら、「今はまだ開けないように」「外国の専門家らが同席する場所でのみ開き、あらゆる内容を慎重に見極めてほしい」と指示する様子を、ロシアのメディアが伝えた。

 先月24日、トルコがシリアとの国境付近でロシア軍機を撃墜したことを受けて、激怒したロシアはトルコに対し経済制裁を発動。二国間関係は冷戦(Cold War)以降最悪の緊張状態に陥っている。

 両国は同機の飛行経路や位置について、見解が真っ向から対立。トルコ側は、同機が自国領空内に侵入し、繰り返し警告したにもかかわらず無視し続けたと主張しているのに対し、ロシア側は同機がシリアから国境を越えトルコ領内へ侵入した事実はなく、これはトルコが企図した挑発行為だと非難している。

 プーチン氏は、ブラックボックスの解析が事実確認の一助になるはずだという考えを示したが、一方でどんな結果が出ても、トルコに対する怒りが収まるとは限らないと警告した。(c)AFP