【12月4日 AFP】アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官は3日、最前線での戦闘任務を含む全ての職種への女性の配属を認める方針を発表した。この決定により、何世紀もの間続いてきた女人禁制の伝統に終止符が打たれることになった。

 カーター長官は「例外は認めない」と言明。先には海兵隊から、男女混合部隊は男性のみの部隊とは同等の有効性が期待できないという提言が出されていたが、それをも却下した歴史的な方向転換となった。

 同長官は、平均的な身体能力に性差があることは認めながらも、戦闘要員に求められる極めて高い身体能力水準に到達できる女性も多く、逆に男性だからといって全員が同じ水準に届くわけではないと指摘。

 その上で、今後は女性兵士も、陸軍のレンジャーとグリンベレー、海軍のシールズ(SEALs)、海兵隊の歩兵部隊、空軍の空挺部隊といった特殊部隊をはじめ「これまで男性のみに認められていたあらゆる任務に就くことができる」と述べた。

 一方で、強靭(きょうじん)な肉体が求められることに鑑みれば、機会を均等化したからといってあらゆる任務で男女同数の配属になるとは限らないと強調。米軍には現在、兵士138万人が所属しており、うち女性は15.5%となっている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)政権は2013年、歩兵隊、砲兵隊、装甲部隊、特殊部隊も含むあらゆる戦闘任務の門戸を2016年までに女性兵士にも開いていくよう要請していた。しかしオバマ大統領は国防総省に対し、作戦遂行上の制約がある場合は例外措置を求めていく機会を残すとしていた。

 国防総省の覚書によると、この変更は来年1月2日以降「実施が可能な限りなるべく早く」、遅くとも4月1日までに適用されるという。(c)AFP/Thomas WATKINS