【12月1日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は11月30日、先週トルコが露軍機を撃墜したのは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からトルコへの石油供給ルートを守るためだったと述べ、トルコを非難した。

 プーチン大統領は、フランス・パリ(Paris)近郊で開幕した国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)に出席する傍ら開いた記者会見で、「われわれの航空機を撃墜するという決断が、トルコ領内への石油供給ルートを保護したいという考えに基づいていたと考えるに足る、あらゆる理由がある。石油をタンカーに積み込む港に直結するルートだ」と言明した。

 さらに同大統領は、「遺憾なことに、ISなどのテロ組織が支配する地域で生産されたこの石油が、産業規模でトルコに輸送されていることを確認する追加情報も得ている」と述べた。

 先週露軍のスホイ24(SU-24)型機がシリア国境付近で撃墜されたことを受け、プーチン大統領はトルコを「テロリストの共犯」と非難するとともに、IS領内からの石油がトルコ経由で密輸されていると指摘している。シリアとイラクの広い範囲を掌握しているISにとって、石油密売は主要な収入源の一つとなっている。

 プーチン大統領は、COP21に出席した首脳らの大半が、トルコによる露軍機の撃墜は「不要だった」という考えを示したと述べた。さらに同大統領は、爆弾による露旅客機の墜落と、ISとつながりのある過激派グループが引き起こしたパリ同時テロを受けて露仏両国が推進している対ISの国際同盟結成を目指す動きも、トルコの行動によって深刻な脅威にさらされていると批判した。

 一方、トルコ側はISとの石油取引を否定しており、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は11月30日、プーチン大統領の主張が証明されれば辞任する用意があると明言。「そしてプーチン氏には、こう伝える。『あなたはその職にとどまり続けるのか』と」と付け加えた。(c)AFP