【11月30日 AFP】英国で最も悪名高い絵画の贋作制作者の一人が、レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の作品と考えられている絵画について、自らが描いたと主張している──。英紙タイムズ(Times)の日曜版が報じたところによると、この制作者は、作品「美しき姫君(La Bella Principessa)」をスーパーマーケットのレジ係をモデルに描いたと話しているという。

「美しき姫君」をめぐっては、ダビンチが15世紀に制作したとの見解で専門家らの意見は一致している。しかし、これまでにも贋作を複数制作しており、有罪判決も受けているショーン・グリーンハル(Shaun Greenhalgh)元受刑者は、英イングランド(England)北部ボルトン(Bolton)のスーパーマーケットで働いていた時に、自分がチョークとインクを使って描いたと主張している。

 同紙に掲載されたグリーンハル氏の新刊「A Forger's Tale」からの抜粋によると、同氏は、「コープ(スーパーマーケットの名称)で働いていた1978年に自分がこの絵を描いた」としており、「『シッター』は、レジ係のサリーという名の少女をモデルにした」とも述べている。

 横顔の金髪女性が描かれた同作品をめぐっては、専門家らが2008年に「レオナルド・ダビンチによる卓越した絵画作品」と結論づけている。評価額は約1億5000万ドル(約185億円)。

 最近の研究では、作品に使われているチョークの顔料が少なくとも250年前のものであることが示唆されていたが、これに対しグリーンハル氏は、鉄分豊富な粘土質の土を採取し、妥当な年代の有機素材を用いて、独自の顔料を作ったと主張している。(c)AFP