【11月27日 AFP】2014年の欧州でのHIV(ヒト免疫不全ウイルス)新規感染者数が過去最高となったことが、欧州連合(EU)および世界保健機関(WHO)の報告書で明らかになった。ロシアでの感染者数増加と欧州到着後に感染した移民が、感染者数増加の主因となっている。

 26日に発表された報告書によると、2013年の新規感染数は13万6235件だったが、2014年には4.4%増の14万2197件となった。

 新規感染の60%はロシア、21%はEU加盟28か国にアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーを加えた31か国が占めた一方、西欧での感染は減少している。

 報告書によると、新規感染者の3分の2は欧州出身、残りの3分の1は移民を含めた欧州外出身だという。

「難民や移民が受け入れ国で社会的排除の犠牲者となっている場合、危険な行動を取りやすくなり、感染の危険性が増大する。適切なHIV関連サービスを受けづらいことや、偏見を持たれる恐れなどから、この危険性がより拡大している」と報告書は指摘している。

 報告書は欧州各国に対し、欧州の住民をHIV感染から守るためにも、法的地位にかかわらず全ての移民を対象に、検査と治療を実施するよう促している。(c)AFP