【11月25日 AFP】米インターネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)がニューヨーク(New York)の地下鉄に掲示した、ナチス・ドイツ(Nazi)の鷹の紋章と日本の帝国主義の象徴とされる旭日旗のデザインを使用したドラマ広告が、非難が殺到したために撤去に追い込まれた。

 米国旗に日独の両シンボルを融合させたこの広告は、同社制作のドラマ「The Man in the High Castle(高い城の男)」のプロモーションとして、ニューヨーク州都市交通局(MTA)から許可を得た上で、タイムズ・スクエア(Times Square)を走る地下鉄の座席を塗り替える形で掲示された。

 先月放映が始まった同ドラマは、フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)の同名小説が原作。第2次世界大戦(World War II)に敗れ、東部をナチスに、西部を日本に占領された1960年代の米国を舞台にした架空のシナリオが展開される。

 広告については、第2次世界大戦とホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の生存者の感情を害するものだとして、ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長などが広告の撤去を呼び掛けていた。当局者がAFPに語ったところよると、広告は当初、来月まで掲示される予定だったが、現在、撤去作業が進められているという。(c)AFP