【11月23日 AFP】(写真追加)中米のグアテマラやエルサルバドル、ホンジュラスでは、特定のブランドのスニーカーを履いたり、ある種の髪形をするといった「格好」にまつわる選択が、文字通り「致命的」な結末をもたらすことがある。いずれも凶暴なギャングがはびこり、苦慮している国々だ。

 中米の「北部三角地帯」と呼ばれるこれら3か国は、武装したギャング同士による縄張り抗争が激しく、紛争地帯を除けば世界で最も危険な場所の一つとなっている。他の場所ならば何の変哲もない格好でも、ギャングが街中で仲間を見分ける目印に使っている可能性がある。

 そのため3か国で約650万人いる15~24歳の若者は、毎日慎重に服装を選ばなければならない。ギャングの構成員らから、敵組織の標的や侵入者と勘違いされないよう、また警察からは、犯罪容疑をかけられないようにするためだ。

「マラ・サルバトルチャ(Mara SalvatruchaMS-13)」と「バリオ18(Barrio 18)」という2つの凶暴なギャングによる抗争が絶えないエルサルバドルの首都サンサルバドル(San Salvador)の街頭を歩いていた18歳の男性は「狂ってるよ。ギャングスタイルの一部だからって、このブランドやあのブランドのスニーカーは履けないなんて」と不満を漏らした。

 ギャングが好んで履く靴といえば、米スポーツ用品メーカー「ナイキ(Nike)」のスニーカーの中でも特に人気のある「コルテッツ(Cortez)」モデルや、独メーカー「アディダス(Adidas)」の「スーパースター(Superstar)」ライン、同「プーマ(Puma)」など。

 他のファッションアイテムにも気を付けなければならない。ホンジュラスの首都テグシガルパ(Tegucigalpa)郊外に暮らすアルヌルフォさん(22)は「野球帽は目深にかぶってはいけない、つばを後ろや横に回してはいけない。シャツは大き過ぎても、体にぴったりし過ぎるのも駄目。ギャングみたいな格好をしていたら、警察に拘束されて尋問されかねない」と語った。