【11月22日 AFP】昨年ロシアに併合された黒海(Black Sea)北岸のクリミア(Crimea)半島で22日、ウクライナから電気を送る主要送電ケーブルが爆破されて大規模な停電が発生し、非常事態が宣言された。送電ケーブルに対する攻撃はここ数日で2度目。

 ロシア非常事態省のクリミア支部が発表した声明によると、22日午前0時25分(日本時間同日午前7時25分)ごろ、ウクライナからクリミアへの送電が途絶えたという。クリミアは電気をウクライナに依存している。

 クリミア当局は、高圧線用の鉄塔2基が破壊されたが、発電装置によってシンフェロポリ(Simferopol)とヤルタ(Yalta)、サキ(Saki)の一部で電力を復旧したと述べた。

 これに先立つ20日には他の主要送電ケーブル2本が爆破されていたため、今回の攻撃によりクリミアが電力不足に陥るのではないかとの不安が高まっている。ウクライナの独立系通信社UNIANは、クリミアまで敷設されている送電ケーブルのうち2本が19日夜から20日にかけて攻撃を受けたと伝えた。

 ロシア非常事態省は「クリミアの指導者の決定により、同半島に非常事態が宣言された」と述べ、医療機関などの重要施設では発電装置で電気をまかなっていると付け加えた。

 ロシア国営タス通信(TASS)はクリミア当局者の発言として、ディーゼル発電装置と、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーを利用しても、電気供給量は需要の半分にとどまる恐れがあると伝えた。(c)AFP