【11月22日 AFP】ハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)の改修中のアパートの壁から、第2次世界大戦(World War II)中に破棄されたと考えられていた、ホロコーストに関する当時の書類が大量に見つかった。

 1944年の日付が記されたこの書類は、ブダペストに当時住んでいた約20万人のユダヤ人をナチス・ドイツ(Nazi)の死のキャンプへと送る目的で作成された調査資料だった。アパートの共同所有者によると、書類は今年8月、壁の割れ目を修復していた作業員が偶然見つけたもので、黄色く変色した紙の束は全部で6300枚、重量にして61キロあった。

 建物ごとに記された書類には、住民の名前、ユダヤ人か否かといった情報の他、キリスト教徒とユダヤ教徒の合計数も隅に書かれていた。ブダペスト市の公文書管理施設のイシュトバン・ケニエレス(Istvan Kenyeres)氏によると、この調査でユダヤ人たちは質問に正直に回答していたとみられるという。

 また同氏によると、今回見つかったもののほかに、同様の書類2万3000枚がまだどこかに存在している可能性があるという。1944年に起きたことを理解する上で貴重な手掛かりとなるこれらの書類は、今後デジタル化され、一般に公開される予定。(c)AFP/Peter MURPHY