【11月20日 AFP】スイス北部にあるサクランボの果樹園から1700年前のものとみられる硬貨が大量に見つかった。考古学者らが19日、明らかにした。

 北部アールガウ(Aargau)州ウエケン(Ueken)の果樹園から見つかったのは、古代ローマ時代の銅貨や銀貨4000枚以上で総重量約15キロ。

 硬貨が見つかったのは今年7月。果樹園の所有者が、敷地内のモグラ塚に緑色の硬貨があることに気づき、地域の専門家に相談した。同地域では今年、ローマ時代初期の遺物が見つかっていた。

 19日の発表によると、数か月におよぶ慎重な発掘作業の結果、出土したのは計4166個の硬貨で、状態は極めて良好だったという。

 刻印は判読可能だったため、硬貨がローマ皇帝アウレリアヌス(Aurelian、在位270-275年)からマクシミアヌス(Maximilian、同286-305年)の統治時代にさかのぼるものと確認することができた。最も新しい硬貨は294年のものだった。硬貨は小さな皮袋に入れて埋められていた。

 考古学者らによると、当時の激しいインフレの影響で、硬貨の本来の価値について断言することは難しいが、少なくとも1年あるいは2年分の賃金に相当するのは明らかだという。

 スイスの法律によると、発見者には報酬が与えられるが、発見物そのものは公共物の扱いとなる。硬貨は同州の博物館に展示される予定。(c)AFP