【11月20日 AFP】アフリカに生息する、一夫一婦でつがいになる小鳥が、人間の目には見えないほど高速でタップを踏むとの研究結果が19日、発表された。入念な求愛の儀式で披露されるこのダンスは、雄と雌の両方が行うという。

「ブルーキャップド・コルドンブルー(Blue-capped Cordon-bleu、ルリガシラセイキチョウ、学名:Uraeginthus cyanocephalus)」の印象的な名前を持つこの鳥の高速での足踏み動作は、高速度ビデオカメラを用いた動画撮影で、今回、初めて観察された。

 人間に目には、止まり木で素早く1回飛び跳ねるように見えるだけだが、実際には、100分の6秒(60ミリ秒)ごとに3回タップを踏むスピードで脚を動かしていることを、ドイツと日本の生物学者チームが発見した。

 またステップのタイミングについては、鳥のさえずりと調和がとれているように思われたという。

 この素早い動作が確認された鳥は、カエデチョウの仲間で東アフリカ原産。雄と雌の両方が求愛行動をする数少ない鳥の一種で体長は10センチほどだ。

 雄の頭部、体、尾は鮮やかな水色で、翼と腹部、背中は明るい茶色。雌は、頭頂部も茶色になっている以外は同様の体色だ。

 求愛ダンスでは、鳥がそれぞれくちばしに小枝をくわえて頭を高く上げ、さえずりながら高速で運動し、リズミカルなタップ音を奏でる。動画では、雄と雌が代わる代わるこれを行っている。

 今回の研究結果は、性選択の古典理論に異議を唱えるものだ。性選択理論では、さえずりとダンスを入念に行う求愛行動は、雄だけが実行するものであることを前提としている。

 今回の研究は、飼育されているルリガシラセイキチョウの雄8羽、雌8羽の計16羽を対象に実施された。研究結果は英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表された。(c)AFP