【11月19日 AFP】国際自然保護連合(IUCN)は19日、気候変動の影響でホッキョクグマが大きな脅威にさらされているとし、今世紀半ばまでにその個体数が約3分の1減少する可能性もあると発表した。

 IUCNは、保全状況の再評価を行った結果、ホッキョクグマがレッドリストの絶滅危惧種(VU)に分類されていることを確認したという。

 現在生息するホッキョクグマの個体数は2万2000~3万1000頭。しかし、地球温暖化の影響で海氷が急速に減少していることから、その数は激減する見通しだとIUCNは警告した。

 IUCN「種の保存委員会(Species Survival Commission)」のディーナ・ケーター(Dena Cator)氏は、「今後35~40年で30%強減少するだろう」と述べた。

 北極圏の気温上昇は、ホッキョクグマの生息地を狭めるだけでなく、捕食するアザラシなどに病気が広がる恐れもある。また、氷冠の縮小によって北極圏の航路が広がり、さらなる資源開発が可能となることから、公害が増大する懸念もある。特に、原油流出の恐れがある石油開発は、同地域にとって大きな脅威と警告した。(c)AFP