パリ襲撃「首謀者」、5月に米情報機関が警告
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【11月19日 AFP】フランス・パリ(Paris)で13日に起きた連続襲撃事件の首謀者とされるアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者について、米情報機関が今年5月の報告書で名前を挙げ、顔写真付きで明確に警告していたことが明らかになった。
米情報分析部(OIA)が米連邦捜査局(FBI)と協力してまとめた報告書は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が既に大規模襲撃を実行できるだけの攻撃能力を備えていると警告。教訓にするべき事例として、ベルギーで今年1月に摘発され未遂に終わった襲撃計画に着目していた。
報告書は、ベルギーの事件を「ISIL(ISの別名『イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant)』の略称)の指令で動いているとみられる大規模テロリスト集団が摘発された初の事例」と指摘している。
その上でOIAは、小規模グループや統率性の薄い集団による「一匹おおかみ」的な攻撃とは対照的に、大規模グループが「より高度な攻撃を欧州で実行する能力を備えていることを示唆している恐れがある」と警告していた。
さらに、報告書は欧州メディアの情報として、ベルギーでの襲撃計画の首謀者がアバウド容疑者とされていることを報告。同容疑者は自身の関与を隠すため、ギリシャ・アテネ(Athens)の隠れ家から携帯電話で襲撃を指示していたと分析していた。(c)AFP