【11月19日 AFP】フランス・パリ(Paris)連続襲撃事件に関連し、同市郊外で18日に行われた大規模な強制捜査では、女の自爆犯を含む少なくとも2人が死亡、8人が拘束されたが、事件の首謀者とされるモロッコ系ベルギー人のアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者(28)の所在は不明となっている。

 捜査当局は、事件現場の一つとなったコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」近くのごみ箱で発見された携帯電話の情報を基に、アバウド容疑者がパリ北郊サンドニ(Saint Denis)にあるアパートにいるとみて、同日未明に強制捜査を実施。7時間にわたる銃撃戦に発展した。

 パリ検察のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事は、同強制捜査で「(新たな)攻撃を起こしたかもしれないテロリストの一団」を阻止したと述べた。死亡した2人のうち、1人は爆発物を付けたベストで自爆した女で、もう1人は多数の銃弾を受けており、「身元確認ができる状態ではない」(モラン検事)という。

 警察は5000発以上の弾薬を使用。モラン検事によると、建物が激しく損傷していることから、死者の正確な人数とその身元は特定できておらず、確認には予期していたよりも長い時間がかかる見込みだ。

 身柄を拘束された8人のうち、2人は建物のがれきの中で見つかった。同検事によると、13日の事件で自爆した兄のブラヒム・アブデスラム(Brahim Abdeslam)容疑者と共に犯行に加わった疑いのあるサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者(26)は、拘束された容疑者の中には含まれていない。

 一方、事件の首謀者とされるアバウド容疑者も、拘束された中には含まれていなかった。IS戦闘員の同容疑者はこれまで、今年に母国ベルギーで捜査の手を逃れて以降、シリアに滞在していると考えられていた。(c)AFP/Guy Jackson and Fran Blandy