【11月16日 AFP】(一部更新)フランスのパリ(Paris)で起き少なくとも129人が死亡した連続襲撃事件で、ベルギー当局は15日、事件に関与した疑いのある3人兄弟のうちの1人に、国際逮捕状を出した。

 仏警察は、ベルギー当局が国際逮捕状を出したサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者(26)の顔写真を公開し、「危険人物」であるとして警戒を呼び掛けた。関係筋によると、3人兄弟のうち1人は事件の実行犯で、犯行後に現場で自爆。また、別の1人はベルギーで身柄を拘束されたが、犯行に加わったかどうかは今のところ不明。

 事件では、自爆用ベルトを装着した襲撃犯7人が死亡。仏スポーツ相によると、競技場「スタッド・ド・フランス(Stade de France)」近くで自爆した犯人のうち少なくとも1人が、フランス対ドイツの親善試合が行われていた競技場内への侵入を試みていた。検察によると、実行犯らは3グループに分かれて襲撃を実行。うち1グループは逃亡中の可能性がある。

 実行犯のうち3人はフランス国籍で、2人はベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)に住んでいたことが判明している。ベルギー検察当局によると、この2人のうち少なくとも1人は、移民が多く暮らしイスラム過激派の温床として知られる貧困地区モーレンベーク(Molenbeek)に居住していた。シャルル・ミシェル(Charles Michel)首相は、同地区が「大きな問題」であると認めている。

 一方、ドイツ当局は、先週にカラシニコフ銃8丁、拳銃3丁、爆薬を積んだ車でパリに向かっていたところを発見されたモンテネグロ出身の男の取り調べを続けている。男は警察への協力を拒否し続けているという。(c)AFP/Eric Randolph and Remy Bellon