【11月15日 AFP】フランス・パリ(Paris)で13日夜に起きた連続襲撃事件の現場の一つとなったコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」で、ロイク・ウィールズ(Loic Wiels)さん(33)は、周りの人が撃たれて倒れるのを感じた。

 銃弾が至近距離を飛び交い、飛び散った木片がウィールズさんの足に当たった。負傷者や遺体から流れ出た血が足下をぬらした。

 ウィールズさんら4人が、バタクランでの襲撃をいかに生き延びたかAFPに語ってくれた。このホールでは、少なくとも82人が殺害されている。

 事件のわずか1時間前、ウィールズさんはパリ東部のバタクランにいる自分は幸運だと感じていた。米バンド「イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)」のコンサートのチケットを土壇場で入手できたのだ。最終的にこのコンサートのチケットは売り切れた。

 1500人収容のホールは観客でいっぱいだった。爆発音が鳴ったのは演奏が始まってから約45分後だった。聴衆の誰かがふざけて「爆竹だよ」と言ったという。

 シルバン・ラバロン(Sylvain Raballant)さん(42)さんは「周りを見回していたら、カラシニコフ(Kalashnikov)銃を持った2人の男が見えた。彼らはジーンズとスニーカーという普通の格好をしていた。私は最初、彼らは上に向けて撃っているのだと思ったが、その後、人々が倒れるの見た」と語った。

 ウィールズさんやラバロンさんのように1階席にいた人全員が床に伏せた。ウィールズさんはこう振り返る。「私は襲撃犯を3人見た。うち2人ははっきりと見た。1人は3日ほどそっていないような無精ひげを生やした若い男のようだった。もう1人はきれいにひげをそり、小さい眼鏡を掛けて黄色いベレー帽のようなものをかぶっていた。防弾ベストを着ているのかと思ったが、実際は、爆発物を仕込んだベストだった」