【11月15日 AFP】フランスのパリ(Paris)で13日夜に起き少なくとも129人が死亡した連続襲撃事件で、隣国ベルギーの警察は14日、事件に関連し首都ブリュッセル(Brussels)で家宅捜索を行い、数人の身柄を拘束した。うち1人は事件発生当時、パリ市内にいたとされる。同国のシャルル・ミシェル(Charles Michel)首相が発表した。

 ミシェル首相は同国の独民放テレビ局RTL(RTL)に対し、「パリの容疑者車両に関連した人々を取り調べるための捜査が即刻開始され、数人が拘束された」と述べた。また、ベルギーの公共テレビ局RTBF(RTBF)に対して「拘束された人々のうち1人は昨夜、パリにいたと考えられている」と話した。

 ベルギーは、パリで1月に起きた仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社銃撃事件や、8月にオランダ・アムステルダム(Amsterdam)発パリ行きの列車内で発生した襲撃未遂事件でも犯人との関連が発覚しており、今回の連続襲撃事件でもベルギーとのつながりが浮上したことから、同国がイスラム過激派の温床となっている恐れが改めて示された。

 パリ検察当局によると、容疑者が使用した乗用車のうちの1台は、ベルギーで登録され、ベルギー在住のフランス人が手配したものだった。また、ベルギー法相はRTBFに対し、ブリュッセルでの捜査は、多くの人々が殺害されたパリのコンサートホール付近で見つかった、ベルギーで貸し出されたグレーの乗用車に関連したものだったと説明した。

 パリでは複数の目撃者が、襲撃犯のうちの数人がベルギーのナンバープレートを付けた車で現場に到着していたと証言している。ベルギー連邦検事室は、正式なテロ捜査を開始したと発表。同国のメディアは今回の家宅捜索で拘束された人数を3人と報じているが、この数字は当局によって確認されていない。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL