【11月13日 AFP】欧州各地で欧州イスラム過激派ネットワークの一斉摘発が行われ、イタリア、英国、ノルウェーで計13人が身柄を拘束された。欧州検察機構(ユーロジャスト、Eurojust)が12日、明らかにした。このネットワークは、ノルウェーで服役中の指導者の釈放を狙って外交官の拉致や複数の攻撃を計画していたとされる。

 このネットワークが釈放しようとしていたとみられるのは、ノルウェーに住むイスラム教原理主義の指導者、ナジュムディン・アフマド・ファラジュ(Najmuddin Ahmad Faraj、別名:ムラー・クレカル、Mullah Krekar)受刑者(59)。脅迫と殺害脅迫の罪で2012年から服役し、今年1月に刑期を終えていったん釈放されたが、2月に犯罪扇動の罪で再び逮捕された。ファラジュ受刑者は、米国と国連(UN)からテロリストに指定されている。

 イタリア警察特殊作戦班は、今回の摘発でイタリアのほか、英国、ノルウェー、フィンランド、スイス、ドイツ各地の同ネットワーク傘下組織を解体したと、記者団に語った。このネットワークが開発したインターネット上のプラットホーム「ダークウェブ」への侵入に成功し、戦闘員を勧誘して海外の戦闘に送り込むルートを断ち切ることができたという。

 今回の摘発では計17人に逮捕状が出されているが、拘束されなかった4人はイラクやシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘に加わっているとみられる。(c)AFP/Laure BRUMONT