【11月12日 AFP】国際水泳連盟(FINA)は11日、ロシア陸上競技界のドーピング問題の渦中にあるモスクワ(Moscow)の検査所から、今年の第16回世界水泳選手権(16th FINA World Championships)で採取されたサンプルを移動したと発表した。

 世界反ドーピング機関(WADA)は10日、反ドーピング研究施設の「モスクワ研究所」の一時閉鎖を発表。報告書によると、同研究所の所長は、1500近いサンプルを意図的に破棄するよう命じたという。

 FINAは、同研究所に保管されていた今年8月に同国カザニ(Kazan)で行われた世界選手権での645個のサンプルが、WADAの認定を受けたスペイン・バルセロナ(Barcelona)の研究所に保管されることになると明かした。今年の世界選手権で陽性反応は検出されなかったものの、今後の分析のためにサンプルは完全な状態のまま保存されていなければならない。

 FINAによると、大会外で採取され、モスクワの研究所に保管されているサンプルについても今後移動させる予定だという。

 FINAのフリオ・マグリオーネ(Julio Maglione)会長は、「当然ながら水泳界にも厳しい時だ。スポーツ界の中にいるわれわれFINAは、WADAの独立委員会の報告書に驚き、悲しんでいる。FINAは水中競技からのドーピング根絶を目指し、ドーピング行為に対し強く、明確な姿勢を守る。FINAは世界一クリーンな競技となるべく、必要なことをすべてやっていくと誓っている」と述べている。(c)AFP