【11月11日 AFP】冷戦(Cold War)時代の1974年から1982年まで旧西ドイツを率いたヘルムート・シュミット(Helmut Schmidt)元西独首相が10日、死去した。96歳だった。ここ数日、健康状態が急速に悪化していたという。

「レアルポリティーク(現実政治)の体現者」と呼ばれたシュミット氏の下で、西ドイツは世界的な経済大国に成長した。

 西ドイツ社会民主党(SPD)所属の中道主義者。極左過激派「ドイツ赤軍(RAF)」による流血のテロに見舞われていた同国のかじを取り、自党に自由市場経済の重要性を説き、冷戦時代の「鉄のカーテン(Iron Curtain)」によって分断された欧州において冷静で現実主義に徹した政治を貫いた。(c)AFP