【11月8日 AFP】今年8月23日にエジプトの紅海(Red Sea)沿岸のリゾート地シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)に着陸しようとしていた英国の旅客機が、わずか300メートル以内までミサイルに接近していたことが明らかになった。英紙デーリー・メール(Daily Mail)が7日、伝えた。

 同紙によると、この旅客機はロンドン(London)発の英トムソン航空(Thomson Airways)機で、乗客189人が乗っていた。操縦士は回避行動を取り、旅客機を無事着陸させた。ミサイル接近について乗客への説明はなかったという。

 エジプト外務省のアフメド・アブゼイド(Ahmed Abu Zeid)報道官はツイッター(Twitter)に投稿し、8月の出来事にはシャルムエルシェイクの空港から数キロ離れたエジプト軍基地の地対地ミサイル演習が関係していたと述べ、「地対空ミサイルの発射はなく、エジプト・英国両政府はこの旅客機に危険は全くなかったことを理解している」と述べ、報道は「全く不正確だ」と指摘。さらに、演習について各航空会社に事前に通知していたと付け加えた。

 英運輸省報道官は「報道された出来事については当時調査し、旅客機を狙った攻撃ではなく、エジプト軍が当該地域で実施していた定期軍事演習とつながりがある可能性が高いと判断した」と述べた。

 エジプトでは先月31日、シャルムエルシェイクを出発してシナイ半島(Sinai Peninsula)を飛行中だったロシアの旅客機が墜落し、乗客乗員224人全員が死亡した。(c)AFP