【11月5日 AFP】南スーダンで4日に墜落したアントノフ(Antonov)貨物機について、ウクライナの航空機メーカー、アントノフは、「飛べる状態ではなかった」ことを明らかにした。この事故による死者は少なくとも36人に上っている。

 同社は声明で、「アントノフ12B(An-12B)型機は、技術的な整備を適時に受けていなかったため、飛べる状態ではなかった。整備には、同機の機体性能を拡大し耐用年数を延長する作業が含まれるべきだった」と述べた。

 アントノフ社は、墜落機が製造された1971年当時、旧ソ連の各地に拠点を置いていた。アントノフ12B型機はウクライナが設計。墜落機はウズベキスタンで製造され、後に隣国タジキスタンで登録された。

 同機は、首都ジュバ(Juba)の空港を離陸した直後に、白ナイル(White Nile)川の島にある農村に墜落。キエフ(Kiev)のアントノフの広報担当者によると、同社はタジキスタンの航空当局に同機の維持管理責任があるとして、同航空当局と連絡を取っているという。

 赤十字(Red Cross)によると、墜落現場からは、男女や子ども計36人の搭乗者の遺体が収容された。2人の生存者が残骸の中から救助されたが、うち1人は後に死亡。もう1人は幼い少年で、今のところ唯一の生存者となっている。赤十字は、死者が今後も増える恐れがあるとしている。(c)AFP