【11月5日 AFP】エジプト・シナイ半島(Sinai Peninsula)で起きたロシア旅客機墜落について、英国は4日、原因は爆弾だった可能性への懸念を表明した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は同日、同機を墜落させたと改めて主張する声明を発表した。

 英首相官邸は声明で、「調査が進行中の間は、ロシア機の墜落原因を断定はできない」とした上で、「だが、より多くの情報が明らかになるにつれ、同機は爆発装置により墜落したのかもしれないとの懸念を抱くようになった」と表明した。

 英国はまた、墜落機の出発地だったエジプトの観光地シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)からの航空便の運航を一時的に停止した。

 先月31日に起きた同機墜落では、乗客乗員224人全員が死亡した。ISは、墜落から数時間以内に犯行声明を出していたが、その主張の詳細には一切触れていなかった。ロシアとエジプトの両国はISの主張の信ぴょう性を疑問視しているが、当局は、いかなる可能性も排除できないとしている。

 ISは、4日にソーシャルメディア上で公開した新たな音声声明で、自分たちが同機を墜落させたと改めて主張し、これを否定するのであればその証拠を示すよう要求した。

 エジプト当局によると、回収されたブラックボックス2個のうち、片方からのデータ抽出には成功しているが、もう片方は損傷しており、調査には時間がかかる見込みだ。

 専門家らは、残骸と遺体が広い地域に散乱していることから、同機が空中分解したとの見解を示している。これが事実とすれば、技術的欠陥によって機体が分解したか、機内に密かに持ち込まれた爆弾が爆発したかの、2つの可能性が考えられるという。(c)AFP/Jay Deshmukh