【11月2日 AFP】オーストラリアのマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相は2日、同国の勲章制度の1つとして昨年復活したばかりの「ナイト」「デイム」の称号を廃止すると発表した。「現代にはそぐわない」としている。

「ナイト」と「デイム」の称号は昨年、英女王を元首とする立憲君主制の信奉者だったトニー・アボット(Tony Abbott)首相(当時)が突如復活させたもの。時代に逆行している、有権者を無視しているなどの批判を浴びていたが、9月に与党・自由党の「党内クーデター」でアボット氏を退陣に追い込んだターンブル首相は共和制支持を公言しており、称号を廃止するとみられていた。

 ターンブル首相によると、国家への功労者に授与されるオーストラリア勲章の制度から「ナイト」と「デイム」の称号授与を廃止する件については、元首であるエリザベス英女王(Queen Elizabeth II)の了承も得たという。この措置は、既に授与された称号には影響しないという。

「ナイト」の称号をめぐっては、アボット氏がエリザベス女王の夫フィリップ殿下(Prince Philip)に授与したことから反発を招き、野党・労働党のビル・ショーテン(Bill Shorten)党首は「時代錯誤だ」「率直に言って、時代に逆行するようなもの。実現するまで、本気だとは思っていなかった」と批判していた。(c)AFP