【11月1日 AFP】エジプトで乗客乗員224人が乗ったロシアの旅客機が墜落したことを受け、ドイツのルフトハンザ航空(Lufthansa)やアラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空(Emirates Airline)、エールフランス(Air France)は10月31日、墜落原因が明らかになるまでシナイ半島(Sinai Peninsula)上空の飛行を見合わせる方針を明らかにした。

 墜落したのはロシアの航空会社コガリムアビア(Kogalymavia)の9268便(エアバス、Airbus、A321型機)で、紅海(Red Sea)に面したエジプトのリゾート地シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)からロシアのサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)に向かっていたが、離陸から23分後に消息を絶った。エジプト当局は、シナイ半島アリシュ(El-Arish)の南方約100キロの地点で、6~8キロ四方の範囲に機体の残骸と遺体が散乱していると述べた。

 米連邦航空局(FAA)は3月、同国の航空各社に対して、シナイ半島上空2万6000フィート以下の高度の飛行を回避するよう勧告していた。

 墜落をめぐっては、エジプトに展開するイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系グループが同機を墜落させたとの犯行声明を出しているが、エジプトのシャリフ・イスマイル(Sharif Ismail)首相は、同機が飛行していた高度で飛行機が墜落される可能性はないとの専門家の見解を示し、犯行声明に疑問を呈した。ロシア運輸相も、「犯行声明が正確とは考えられない」と述べている。(c)AFP/Samer Al-Atrush with Maria Antonova in Moscow