【11月2日 AFP】体外受精(IVF)で生まれた双子の父親となった男性が、双子の母親との間で合意したのは1人の子どもをつくることだったとして双子の親権放棄を求めていた訴訟で、スウェーデンの最高裁はこのほど、男性の訴えを退ける判断を下した。

 訴えによると、夫婦(当時)はドナーから提供された精子と卵子を用いて胚1個の体外受精・胚移植を行うことで合意。父親が病院側との交わした書面でも合意内容は同じだったという。しかし、治療を受けるため訪れた病院に対し、妻は2個の胚の体外受精・胚移植で夫と合意したとうそをついた。2012年12月に双子が生まれたが、夫婦はその後離婚した。

 裁判は、1審2審ともに父親の訴えを退けた。

 高裁は、そもそも双子が生まれる可能性を完全に排除できないことから、体外受精に同意したことによって、男性は1人ないし複数人の父親になることに同意しているとの判断を下した。

 最高裁もこれと同様の判断を下し、すべての子どもに両親を持つ権利があることを強調。また、母親がうそをついたとはいえ、1個ではなく2個の胚を移植したという事実によって男性の体外受精への同意が無効になることはないと付け加えた。(c)AFP