【10月28日 AFP】米軍がアフガニスタンの治安当局者らによる児童性的虐待を故意に見過ごしていたとする報道について、米国防総省が調査を開始したことが27日、明らかになった。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は先月、アフガニスタンに駐留する米兵が、アフガン警察や司令官らによる10代の少年に対する性的虐待がたとえ基地内で起きたとしても見逃すよう、上官から命じられていたと報じていた。この習慣は、現地語で「少年遊び」を意味する「バチャ・バジ(bacha bazi)」と呼ばれている。

 米国防総省監察総監は米軍関係者に送付した通達で、アフガン政府関係者が児童に性的虐待を加えたとの疑惑が米軍や連合軍に報告された件数や、「公式・非公式にかかわらず、報告を思いとどまらせるような指示が国防総省関係者からあったかどうか」についての情報提供を呼び掛けている。

 ニューヨーク・タイムズの報道は、複数の兵士や、2012年に死亡した海兵隊員の父親の証言に基づいている。同紙によると、少年をベッドに鎖でつないで性奴隷として監禁していたアフガン民兵指揮官を殴った元米特殊部隊の大尉が、指揮権を剥奪されアフガニスタンから引き揚げさせられた事例もあった。

 アフガン内務省は、同国の法律によって禁止されているバチャ・バジの習慣を「極悪かつわいせつな行為」と呼んでおり、これに同省が対処していないとの主張を否定している。アフガン政府はこれまでにも、非合法化されながらも地方部で古くから根強く残る児童性的虐待の習慣の取り締まりに取り組んでいた。(c)AFP