【10月23日 AFP】カナダ東部ケベック(Quebec)州で22日、制服警官がパトカー内で先住民女性に性的暴行を加えたとされる14件の事件の捜査が始まった。被害者のうち数人は現在も行方が分からないという。

 女性たちは警官に殴られ、手錠をかけられてレイプされた後、携帯電話を壊され、極寒の中で家から遠く離れた伐採道路脇に放り出されたと訴えている。

 複数の女性がメディアで被害を訴えたことを受け、ケベック州のフィリップ・クイヤール(Philippe Couillard)州首相は、州警察当局が捜査に着手したと発表した。またリズ・テリオー(Lise Theriault)州公安相は、州の性犯罪取締法を見直すと表明した。

 公共放送ラジオ・カナダ(Radio-Canada)によると捜査対象は、モントリオール(Montreal)から約500キロ北方のバルドール(Val d'Or)の地元警官8人だという。

 女性たちが証言する数日前、カナダでは自由党のジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)氏が総選挙で勝利した。トルドー次期首相は、1000人超の先住民女性が殺害されたり行方不明になったりしている問題について全国的な調査を行うと約束している。これまで現職のスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相は、一連の事件は家庭内暴力によるものだとして調査の呼び掛けに応じていなかった。(c)AFP