【10月22日 AFP】(一部更新)メキシコの刑務所から7月に麻薬王「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者(58)が脱獄した事件で、メキシコ検察当局は21日、同受刑者の義理のきょうだいとパイロットの男を脱獄ほう助容疑で逮捕したと発表した。

 記者会見したアレリ・ゴメス(Arely Gomez)検事総長によると、グスマン受刑者の脱獄に関連して6人の身柄を拘束したが、この中に義理のきょうだいとパイロット役の男が含まれていたという。6人はいずれも刑務所外から脱獄に協力したとされる。

 このうち義理のきょうだいは、7月11日の脱獄計画を立てた人物とされ、中部メキシコ(Mexico)州の刑務所内のシャワー室につながる1.5キロメートルのトンネル建設にも関与した疑いがもたれている。

 このトンネルを利用して脱獄したグスマン受刑者は、中部ケレタロ(Queretaro)州に待機していたパイロットと合流し、空路で潜伏地域へと逃亡したとみられる。パイロットの男はグスマン受刑者の麻薬密売組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」で麻薬の運搬を担っていた操縦士だという。

 これに先立ちメキシコ当局は今月初め、グスマン受刑者の故郷の北西部シナロア(Sinaloa)州とドゥランゴ(Durango)州で海兵隊の特殊部隊が潜伏中の同受刑者に迫ったと発表していた。当局者がAFPに語ったところによれば、再逮捕こそできなかったもののグスマン受刑者は山岳地帯で逃亡の際に転落し、脚と顔を負傷したという。(c)AFP