【10月21日 AFP】世界中の女性たちは、過去20年で平均寿命が延び、教育レベルも上がっているが、3分の1以上が暴力の被害を受けたことがあるという国連(UN)の報告書が20日、発表された。

 5年間に及ぶ調査の報告書「世界の女性(The World's Women)」は、成人女性や少女たちの人生に関わる重大な問題の推移について世界の最新データをまとめている。

 国連統計局の研究員、フランチェスカ・グラム(Francesca Grum)氏によれば、今回で6回目となる国連の同様の調査の報告書には、20年前には監視さえされていなかった女性の無償労働や、女性への暴力に関する新たなデータも含まれている。

 過去最多の調査対象102か国で、女性の3分の1以上がそれまでの人生のうちのどこかで肉体的、または性的な暴力の被害を受けたことがあるという実態が明らかになった。

 また世界的に見て、家族に関連した殺人事件の被害者の3分の2は女性だった。

 さらに、自身の過酷な体験について誰にも打ち明けようとしない被害者は多く、暴力の発生率の高さは、泣き寝入りをする女性たちの多さとも比例した。

 国連の調査チームは、70か国の指標に注目。その結果、自身の体験について誰かに打ち明けようとする被害女性の割合は40%未満で、その場合に想定している相手は、警察やソーシャルサービスの職員ではなく、友人や家族であることが明らかになった。警察に届け出る割合は10%未満だった。

 一方で、女性に対する暴力の問題に関する情報が入手できるほぼ全ての国々では、暴力に対する女性たちの態度が変わり始めていることを示す明るいデータもある。(c)AFP