【10月21日 AFP】 米国がん協会(ACS)は20日、年に1度のマンモグラフィー(乳房X線撮影法)による乳がん検診の推奨年齢を40歳から45歳に引き上げる指針を発表した。

 米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された新指針は、55歳以上の女性については、検診を年1度から2年に1度に切り替えるよう推奨している。

 専門家らは、早期発見は生存率の向上に役立つ可能性があるが、40歳からすべての女性を検診すると、偽陽性、危険性がない腫瘤(しゅりゅう)を取り除く外科手術、外科手術による合併症などの問題を引き起こす可能性があると指摘する。

 米ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)のナンシー・キーティング(Nancy Keating)氏と米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women's Hospital)のリディア・ペース(Lydia Pace)氏は付属論説で、臨床試験の結果は、マンモグラフィーが若い女性の生存を助けるという点ではほぼ役立たないということを示していると述べている。

 両氏の論説によると、定期検診のおかげで乳がんによる死亡を回避できる可能性があるのは、1万人当たり40歳代で約5人、50歳代で10人だという。

 論説は、若い女性のためには、マンモグラフィーの普及よりも、ゲノム危険因子の検出を含むより高度なスクリーニング検査を提供した方がよいと指摘している。(c)AFP/Kerry SHERIDAN