【10月20日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は19日、ラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)準々決勝でスコットランド代表を下したオーストラリア代表へ最終盤に与えられたペナルティーは、クレイグ・ジュベール(Craig Joubert)主審の誤審だったと発表した。

 18日の試合でワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)の35-34の勝利を決めたバーナード・フォーリー(Bernard Foley)のペナルティーキックに対し、英国内で非難の声が上がる中、ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビーは、珍しく審判の判断についての評価を下した。

 この薄氷の勝利でオーストラリアは、アルゼンチン代表と対戦する準決勝に進出している。

 南アフリカ出身の主審はノーサイドの笛を吹いた後、スコットランドのサポーターからのやじやブーイングを受ける中ピッチから走り去っており、各国の元代表選手からは「恥さらし」とのレッテルを貼られた。

 ワールドラグビーがこういった手厳しい評価を公表することはまれだが、審査委員会は37歳のジュベール審判はそれでも審判団の「重要な」一員であるとしている。

 しかしながら、ジュベール審判は今週末行われる準決勝の審判団に名を連ねていない。

 スコットランドラグビー連盟(SRU)はAFPに対し、判定に対するコメントはなく、嵐は過ぎ去っており、試合結果はそのままにされるべきだとしている。

 スコットランドが34-32とリードする中、ジュベール審判はスコットランドのジョン・ウェルシュ(Jon Welsh)が、チームメートのノックオンしたボールでプレーしたとしてオフサイドを宣告した。

 リプレー映像を確認した審査委員会は、ノックオンされたボールがオーストラリアのニック・フィップス(Nick Phipps)に触れていたのは「明らか」だったとしている。この場合、意図的にボールに関与しようとした相手選手がいたため、ウェルシュはオンサイドとなる。

 審査委員会は、「適切な判定は、最初のノックオンに対するオーストラリアボールのスクラムとすべきだった」と述べた。

 しかしながら、元代表選手などで構成されている審査委員会は、不正な行為が起きていないためジュベール審判は第3審判への確認やリプレー映像の参照が不可能だったとしている。

 ワールドラグビーのブレット・ゴスパー(Brett Gosper)最高責任者は、「何とも言えないが、彼はとにかくトイレに行きたかったのかもしれない。審判が多少の敵意を感じていたのは確かだと思う。どんな理由であれ、8万2000人の反感にさらされれば、挙動にどんな影響が出るかは分からない。クレイグ・ジュベールは長らく突出した審判であり、素晴らしい人間だ。クレイグがしたことの理由も明らかになるだろう」とコメントしている。(c)AFP