【10月19日 AFP】スペインではこのほど、あらゆる世代の女性たちが、自宅やカフェに集まり、千枚以上のブランケットを編んだ──内戦中のシリアに寒い冬が到来する前にブランケット送ろうとのオンラインでの呼びかけに、全国レベルで数多くの女性たちが参加した。

 セビリア(Seville)近くのビジャベルデ・デル・リオ(Villaverde del Rio)では先週、約20人の女性や少女たちが街の中心部にあるカフェに連日集まり、ブランケットを編み上げた。

 こうしたブランケットは、首都マドリード(Madrid)にある小規模な非政府組織「Syrian People Support Association」に送られ、同協会がシリア国内の避難民に届けるという。

 ブランケットを編んでシリアに送ることを目的に集まった人々のグループ「The Blanket of Life(命のブランケット)」が9月初めにフェイスブック(Facebook)上でページを立ち上げて以来、4000人以上が賛同。18日の締め切りまでに、ブランケット約1450枚が編み上がった。

■「私たちはあなたと共に」

 ブランケットは月末にシリアに送られる予定。シリア北西部のイドリブ(Idlib)県の平均最低気温は1月、氷点下を若干上回る程度まで下がる。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、これまでに約400万人が内戦の続くシリアから国外に脱出。650万人が国内避難民となっているという。

 フェイスブックのページには、屋外の広場や自宅でブランケットを編む賛同者らの様子や、完成したブランケットを広げる写真が掲載されている。

 この運動について、10代の子ども2人の母親である、マドリード在住のオルガ・ロペスさん(48)は、「私は難民の、子どもを連れて戦争から逃げている親の写真を見た。とても痛ましく思えたし、私にも起こりうることだと思った」と述べた。また、他の3人と一緒にブランケットを編んだと話しながら、「素晴らしいアイデア。ブランケット自体は大したものではないけど、たくさん愛を込めて作った。ちゃんと届くとうれしい」と続けた。(c)AFP/Daniel SILVA