【10月18日 AFP】ジンバブエで同国最大級とされていたゾウが狩猟愛好家に殺された件について、同国国立公園・野生動物保護庁(Zimbabwe Parks and Wildlife Management AuthorityZimParks)は17日、この狩猟が合法だったとの判断を示した。

 それぞれ54キロと55キロの象牙を持ったこのゾウは今月、ジンバブエ南東部で射殺された。狩猟の収益金は野生生物の保護に充てられるという。

 同庁は声明で「10月7日、成長した雄のゾウ1頭が、外国人客によって、地元で登録されている狩猟旅行会社を通じ、マリパティ・サファリ(Malipati Safari)地域でトロフィーとして狩猟の対象となり射殺された」とし、マリパティ・サファリ地域が、ゾウ含め全ての野生生物の持続可能な狩猟枠と狩猟許可を年間ベースで割り当てられている」と述べた。また同庁は、ゾウがゴナレゾウ国立公園(Gonarezhou National Park)内で殺されたとする報道を否定。マリパティはゴナレゾウ国立公園に隣接しており、この2つの自然保護区には合わせて1万1452頭のゾウが生息していると説明した。

 同庁の声明はさらに「ジンバブエは、天然資源を持続可能な形で利用するという原理に同意しており、消費型および非消費型の野生生物の利用もここに含まれる」とした上で、「野生生物を利用するプログラムや事業は、地域社会の発展や生活水準の向上、(野生生物の)保護プログラムに役立てられてる収益を生み出す」と主張した。

 同庁は、ゾウを殺した狩猟愛好家の名前や、殺された方法の詳細などは明かせないとしている。ただ、複数の野生生物保護団体は、ドイツ人の狩猟愛好家がこのゾウの狩りに6万ドル(約720万円)を支払ったと報告している。ジンバブエでは観光客らに人気だった雄ライオン「セシル(Cecil)」が狩猟愛好家に殺され問題となったばかりで、トロフィーハンティングと呼ばれる狩猟をめぐる議論が再燃している。(c)AFP