【10月12日 AFP】退任を控えるラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、W杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)のプールBで南アフリカなどから計3勝を挙げた代表チームについて、ばかにされることはもうないだろうと話した。

 かつてオーストラリア代表を率いたジョーンズHCは、日本代表の攻撃ラグビーが若い世代に影響を与え、日本のラグビー界を盛り上げたと同時に、2019年のW杯(Rugby World Cup 2019)開催国として、重要な礎を築いたとしている。

 日本は11日に行われた米国戦に28-18で勝利し、W杯の舞台に別れを告げたが、3勝を挙げながらW杯の予選プールを突破できなかったチームは、ブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)が初めてだった。

 34-32で南アフリカから大金星を挙げた日本は、W杯に大きな旋風を巻き起こしたが、ジョーンズHCは、「大会が始まる前、日本はお話にならないチームの一つだった。対戦国はBチームを起用し、それでも80~90点差をつけると考えていただろう」と振り返った。

「大会に出場して、4試合で3勝を挙げられたのは、チームにとってものすごいことだ。選手の質を示しているし、そのためにどれだけ努力をしてきたか証明した」

 フルバックの五郎丸歩(Ayumu Goromaru)は、米国戦で代表通算700得点を突破し、大会で注目を集めた選手の一人になった。

 日本代表としての最終戦を終えたジョーンズHCは、「行きのバスでは面白い光景が見られた」とすると、「日本国旗を振るファンの間を通り抜けてきたが、その多くはどう見ても日本人ではなかった。チームとしてこれ以上の喜びはない」と振り返った。

 また、4年後のW杯までに日本が世界ランクを上げれば、好カードの予選プールに入る可能性が高く、8強入りも見えてくるだろうと話している。

 米国戦について「日本では3000万人くらいが見ていたんじゃないかな」としたジョーンズHCは、「3000万人といったら、オーストラリア国民+カンガルー+羊のようなものだよ。その3000万人の中には、子どもにラグビーを始めさせようと思った親もいるだろう。中には、鏡の前でゴールキックの真似をしている子どももいるんじゃないかな」と日本への思いを語った。

「日本にとっては、ラグビーに新たな選手、ファン、ヒーローが誕生した大会になった。選手たちは、今やヒーローだ。日本ラグビーのイメージをまったく別のものに変えてしまったんだからね」

(c)AFP/Robin MILLARD