【10月11日 AFP】男子テニス、楽天ジャパンオープン(Rakuten Japan Open Tennis Championships 2015)は10日、シングルス準決勝が行われ、大会第2シードの錦織圭(Kei Nishikori)はブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)に6-1、4-6、2-6で敗れ、大会連覇の望みは断たれた。

 ぼろぼろのシューズで錦織に競り勝ったペールは、錦織を破った今年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2015)1回戦が偶然の出来事ではなかったことを証明した。

 ペールは11日に行われる決勝で、ギル・ミュラー(Gilles Muller、ルクセンブルク)を6-4、7-6で下した第1シードで親友のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)と対戦する。

 ここ4年で3度目のジャパンオープン制覇を目指していた錦織は、第1セットをわずか20分で奪ったが、ペールに逆転負けを喫した。

 ぼろぼろの黄色いシューズにテーピングし、スペアラケット1本で試合に臨んだペールは、第2セットのマッチポイントをバックハンドのダウンザラインで奪うと、ガンマンのようなポーズで歓喜し、満員となった1万2000人の観客を沈黙させた。

 世界ランク32位のペールは、第3セット序盤にブレークを奪うと、錦織の猛攻をしのいで最後はフォアハンドをコーナーに決め、48分間で最終セットをものにした。

「このシューズが好きなんだ」と試合後に語ったペールだが、同日午前中に代わりのシューズを探したものの見つけることができず、マルコス・バグダティス(Marcos Baghdatis、キプロス)がロッカーに置いていったものを借りたが、最後は自分のシューズでプレーすることを選択した。

 膝の負傷で2014シーズンをほぼ棒に振ったペールは、今季2勝目にあと1つに迫っている。

「このシューズをはいて多くの試合で勝利してきたからね。明日もそれでプレーするよ。またテーピングを巻くさ。スタン戦で幸運を運んでくれたらいいね。そうじゃなかったらゴミ箱行きだ」

 一方、敗れた錦織は、突然の乱調に言葉を失っている。

 全米オープンでは2度のマッチポイントを奪いながらも敗れているペールについて錦織は、「1分前にいないと思ったら、その次には出てくる」と語り、この日も試合が進むにつれて不安な様子を見せていた。

「彼は乗ってくると手がつけられなくなりそうに思えた。とても難しい相手です」

(c)AFP/Alastair HIMMER