【10月10日 AFP】ラグビーニュージーランド代表の元主将デーブ・ギャラハー(Dave Gallaher)氏が、1905年に行われた伝説の試合、ウェールズとのテストマッチで使用したジャージーが9日、同競技史上最高値で落札された。 

 英国カーディフ(Cardiff)のオークション主催者によると、銀シダが刺しゅうされた黒のジャージーは、これまでのラグビー関連商品で最高値が付いた2万2000ポンドを上回り、18万ポンド(約3300万円)で落札されたと発表している。 

 ジャージーは英国人のバイヤーが購入しており、英ITVは、英ラグビーチームのサラセンズ(Saracens)で会長を務めるナイジェル・レイ(Nigel Wray)氏が購入したと伝えている。

 ウェールズに0-3で敗れた試合で使用されたギャラハー氏のジャージーは、2万ポンド(約368万円)から4万ポンド(約737万円)で落札されると予想されていた。

 この試合は、ニュージーランドがオールブラックス(All Blacks)と呼ばれるようになった1905年の北半球遠征35試合で唯一黒星を喫した試合で、今でもスポーツ界における伝説的な試合の一つとして語り継がれている。

 また、この一戦はスポーツで試合前に国歌が歌われた初めての試合だと考えられている。これは、ウェールズのファンが、ニュージーランドの演じるハカ(Haka)の心理的な影響に対抗するために歌ったとされている。 

 当時ウェールズの主将を務めていたグウィン・ニコルズ(Gwyn Nicholls)氏は、試合後にギャラハー氏とジャージーを交換していた。

 ニコルズ氏はその後、ギャラハー氏のジャージーを実業家のトーマス・ジョン・マホーニー(Thomas John Mahoney)氏に譲り渡し、その後はマホーニー家が保管していた。

 ギャラハー氏は1917年10月、第1次世界大戦の「パッシェンデール(Passchendaele)の戦い」で戦死しており、2011年にはニュージーランド最大のスタジアムであるオークランド(Auckland)のイーデン・パーク(Eden Park)にギャラハー氏の銅像が立てられている。 

 現在開催されているW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、ニュージーランドとウェールズはともに準々決勝へ駒を進めている。(c)AFP