【10月9日 AFP】米オクラホマ(Oklahoma)州で、1月に薬物注射による刑が執行された死刑囚に対し、誤った薬剤が使用されていたことが、8日に公表された検視報告書で明らかになった。

 同州のメアリー・ファリン(Mary Fallin)知事は先月、同じ薬物をめぐる疑念の声を受け、別の死刑囚の刑執行を停止していた。

 報告書は、現行の死刑執行方法に対する疑念を高める内容となっており、ファリン知事は8日、懸念が解消するまで全ての死刑執行を延期する意向を表明した。

 地元紙オクラホマン(Oklahoman)が最初に入手した検視報告書によると、1月15日に刑が執行されたチャールズ・ワーナー(Charles Warner)死刑囚(当時47)に注射された薬物は、塩化カリウムではなく酢酸カリウムだった。

 刑執行の立会人はワーナー死刑囚に肉体的な苦痛を示す兆候は見られなかったと話しているが、薬物注射から死亡までは18分を要した他、同死刑囚が「体が燃えている」と口走ったとも報じられている。

 同報告書によると、ワーナー死刑囚の刑執行に用いられた注射器には塩化カリウムのラベルが貼られていたが、薬液のびんが入っていた箱には酢酸カリウムと書かれていた。塩化カリウムには心臓を停止させる効果があり、専門家によれば酢酸カリウムとの代替性はない。

 オクラホマ州では、2014年4月に行われたクレイトン・ロケット(Clayton Lockett)死刑囚の刑執行で、薬物注射から死亡まで約40分もかかったことから、州当局が刑執行手法の調査を開始。同州の死刑手法への注目が集まっていた。(c)AFP